がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン
地域・職種間連携を担うがん専門医療者養成

平成27年度活動報告

こちらでは、近畿(阪大)がんプロ拠点が行いました様々なセミナー・講演会の報告および、研修等の報告をご紹介いたします。

京都府立医科大学 府民公開講座 「京都府内の専門医によるがん診療の最前線」活動報告

平成28年3月5日(土)に京都府立医科大学図書館ホールにおいて、京都大学と京都府立医科大学のがんプロフェッショナル基盤養成プランが合同で府民公開講座「京都府内の専門医によるがん診療の最前線」を開催しました。 当日は191名の参加がありました。 京都大学と京都府立医科大学のがんの専門の先生方が「がんの早期発見・早期治療のためのがん検診の役割」、「免疫療法(PD-1経路阻害薬)とは?その期待と課題、「小児がんの集学的治療とトータルケア」「最新の胃がんの外科治療」「緩和ケアの現状と課題」と多岐に渡る内容で講演しました。参加者の方からは「小児がんが治る時代になったという事実には勉強不足を痛感した。」という声や「免疫療法もあるが、今の治療を信じて治療する。」、「近より難い印象の大学病院で実際にどのような診療や研究が行われているのかよく分かりました。」という声などの来場者思い思いの感想をいただきました。今後の公開講座に活かしていきたいと思います。

大阪大学 市民公開講座報告 ~知っておきたい 肺がんの放射線治療~

奈良県立医科大学のご共催、大阪府がん患者団体協議会のご後援いただき、39名の方々にご参加いただいた。多くの方々ががん治療、放射線治療に持っていただいていることがうかがえる参加理由であった。また参加された方全てが有意義以上の感想であった。基礎的でイラストの多いスライドであったことや、質疑応答でも多くの質問をいただき適切に回答できたことも満足度につながったと推測する。特に各職種の説明を通して全体像をお伝えできたことに満足していただけた旨のコメントもあった。参加者の方々には高い満足度を得ていただけたと考えられる。
今後も世の中のニーズに答えつつ、満足度の高いセミナーを開催していきたい。

7大学連携 第16回医学物理セミナー 報告

平成28年1月25日(月)に、大阪大学医学部保健学科第3講義室にて、兵庫県立粒子線医療センター院長の沖本智昭先生を迎え、粒子線治療の最先端に関する講演が行われた。参加者は本学学部生を含む51名あり、また、遠隔会議システムを用いて奈良県立医科大学放射線治療科への配信も行った。

京都府立医科大学 「小児血液/腫瘍」セミナーin京都 報告

平成27年11月30日(月)に京都府立医科大学臨床講義棟南臨床講義室において、「小児血液・腫瘍セミナー in 京都」を開催しました(参加者45名)。

小児の急性白血病の治療成績は近年の治療法の進歩に伴い大きく向上しましたが、まだ、予後不良な患者様がおられるのも事実です。本セミナーでは、海外から二人の小児白血病研究のエキスパートをお招きし、ご講演いただきました。

講演1は、トロント大学 小児科 准教授 Johan Hitzler先生より「Leukemia with Down syndrome」というテーマで、ダウン症候群に合併する造血器腫瘍について、その発症メカニズムから臨床的事項を含めて、分かりやすく概説していただきました。

講演2では、「Inherited and somatically acquired super enhancers in developmental cancers」というテーマで、ハーバード大学小児科教授 A Thomas Look先生に主にT細胞性ALLの新しい発症メカニズムについてご講演いただきました。小児白血病の最新知見をていねいに説明いただき、小児科医師のみならず、血液腫瘍性疾患に関わる医療者にとって貴重な機会となったのではないかと思います。

連携7大学がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン がん看護FD(Faculty Development)報告

平成27年12月19日(土)に、新大阪丸ビル別館において、連携7大学がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン がん看護FD(Faculty Development)を開催しました。北海道から沖縄まで全国各地の大学教員および専門看護師、医師の合計43名の参加がありました。

がん看護専門看護師を育成する専門看護師教育課程では、これまでの26単位から38単位への変更に伴い新たな実習を行っていく必要があります。そのため「卓越した臨床判断能力と実践力を育むがん看護専門看護師実習指導」をメインテーマとして、前半は38単位実習をすでに行っている兵庫県立大学の事例を話題提供いただきました。兵庫県立がんセンター 地域医療連携部長兼緩和ケアセンター次長 緩和ケア内科・麻酔科部長の池垣淳一先生の『緩和ケア領域におけるキュアの側面からの実習指導』、がん看護専門看護師の湯浅幸代子先生の『ケアの側面からの実習指導』の話題から、実習の組み立て方や学生の事前準備、教員・専門看護師の調整、卓越した臨床判断能力の評価など、実習の現状と課題について理解を深めました。

後半は、話題提供を踏まえ「臨床判断能力と実践力を育む専門看護師実習指導の在り方」について、グループに分かれディスカッションを行いました。参加者の多くは、来年度に新たな実習指導を計画していることから積極的に情報交換されており、実習時期や実習の位置づけ、教員や専門看護師・医師の役割や調整などについても多くの気づきがあり、有意義なFDとなりました。

第8回がんプロ講演会(神戸薬科大学)

平成27年11月28日(土)に神戸薬科大学10号館4階会議室において、「神戸薬科大学第8回がんプロ講演会」を開催しました(参加者49名)。

今や女性の12人にひとりが“乳がん”に罹る時代となり、昨年は女優のアンジェリーナ・ジョリーさんの乳房の予防的切除で遺伝性乳がんも話題になりました。乳がんの好発年齢は40歳代であり、家庭や社会で活躍している時期でもあるため、QOLの向上は治療を行う上で重要なポイントになります。そこで今回は、「そこが知りたい 乳がん治療とQOL」をメインテーマに最新の情報を参加者の皆さまに届けようと企画しました。

講演1は、立命館大学 生命科学部生命医科学科 教授 下妻晃二郎先生より「がん治療におけるQOL評価の基礎と応用」というテーマで、分かりやすくQOL評価の方法についてご教示いただきました。

講演2では、「QOLを追求した乳がん治療の進化」をテーマに神鋼記念病院乳腺科科長 兼 乳腺センター長 山神和彦先生ご講話いただきました。がんの最新治療を一般市民の方々にも理解できるようにていねいに説明いただき、錯綜するがん情報を整理することができたのではないでしょうか。

また今回は、株式会社アインファーマシーズより乳がんモデルの模型を貸していただき、触診体験をすることができました。乳がんの早期発見は生存率の向上につながるため、非常に有意義な機会になりました。

京都府立医科大学 府民公開講座「大腸がんと子宮頸がん ~病態・検診の重要性について~」活動報告

平成27年10月4日(日)にノートルダム女子大学において、リレー・フォー・ライフ・ジャパン京都プレイベントとして府民公開講座「大腸がんと子宮頸がん ~病態・検診の重要性について~」を開催しました。

リレー・フォー・ライフ・ジャパン京都のがん征圧がん患者支援チャリティーイベントと合同で開催しており、参加者は79名でした。

今回の講演では、まず、子宮頸がんの検診の重要性やワクチンについて本学産婦人科の黒星晴夫先生が講演されました。子宮頸がんの進行と摘出の範囲、治癒率の悪化、検診の重要性についてお話されました。また予防ワクチンについては、これまでの経緯やワクチン接種と罹患率等についてお話されました。 次に大腸がんの検診の重要性とレーザー内視鏡治療について本学消化器内科・化学療法部の吉田直久先生が講演されました。京都府内では大腸癌検診の受診率が低い点や大腸癌検診の方法、腫瘍を見えやすくしたレーザー内視鏡による精確な治療方法等についてお話いただきました。

来場者アンケートでは、「検診の重要性について再認識しました。」という意見や「子宮頸がんワクチンのお話が聞けてよかった。」、「レーザー内視鏡についてよく分かった。」等の意見をいただきました。

がん看護スキルアップセミナー(インテンシブ)報告

平成27年10月3日(土)に、大阪大学中之島センターにおいて、大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻主催のがん看護能力スキルアップセミナー(インテンシブ)を開催しました。近畿圏内の各地より病院看護師および訪問看護師、合計101名の参加がありました。

『がん患者さんの呼吸困難に対するケア』をメインテーマに、講演1では、六甲病院 緩和ケア内科 安保博文先生より『がん患者さんの呼吸困難に対する症状マネジメント』について、ご講演いただきました。呼吸困難緩和に向けて、「がん以外の要因への対策」「患者の不安軽減」「モルヒネの使用」「痰分泌のコントロール」「睡眠の確保」のポイントをあげ、事例が目に浮かぶような講義に参加者も熱心に耳を傾けていました。決して「あきらめない」姿勢が医療者として大切との言葉を深く受け止めました。

講演2では、がん・感染症センター都立駒込病院 緩和ケア科の心理士である栗原幸江先生より、『呼吸困難を持つ患者さんに対する非薬物的アプローチ』について、ご講演いただきました。患者さんが自身のコントロール感と自信を取り戻すためのアプローチとして、呼吸法の指導、リラクセーションについて実習も交えての講義となりました。また看護師ができる認知行動療的アプローチとして、「手」「音」「臭い」「言葉や語り」などを用いて患者さんの心地よさをもたらす様々な工夫を学びました。医療者が多くの引き出しを持つこと、患者さんと話し合いながら、「今」「ここで」できることをすることが将来につながるとの言葉が印象的でした。参加者の方々も、実習では最初は少し緊張しながらもだんだんリラックスして参加されており、あっという間の3時間でした。

大阪大学 PHITS2講習会 報告

平成27年9月28日(月)‐29日(火)に、日本原子力研究開発機構の佐藤達彦氏、甲斐健師氏を講師に迎え、粒子・重イオン輸送汎用モンテカルロシミュレーションコードPHITS2の使用方法に関する講習会を行った。

参加者は、大阪がんプロ・医学物理コース3名の学生を含め38名あり、PHITS2の基本的な使用法を取得した。また特別編として、治療応用実習(IAEA phase space fileを用いたX線治療シミュレーション)も行われた。

平成27年度 がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン
インテンシブコースセミナー報告(兵庫)

今回のセミナーでは、「思春期・若年成人がん患者(AYA世代)の移行期支援」をテーマとして、丸光惠先生(甲南女子大学看護リハビリテーション学部:教授)にご講演いただきました。講演Aでは、小児・思春期・若年成人期のがん・がん医療における長期的な問題を取り上げ、思春期・若年成人期において「がん」「サバイバー」になる事の意味について分かりやすく解説いただきました。講演Bでは、思春期・若年成人期のがん患者に必要とされる支援とケア提供モデルの課題についてご紹介いただき、その後 AYA 世代のがん患者に関する典型事例をもとに、グループディスカッションを通して事例分析を行いました。

がん看護能力スキルアップコース(インテンシブコース)報告(大阪大学)

平成27年8月29日(土)に、大阪大学中之島センターにおいて、大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻主催のがん看護能力スキルアップセミナー(インテンシブ)を開催しました。休日にも関わらず、近畿圏内の各地より病院看護師および訪問看護師、合計133名の参加がありました。 『治療中のがん患者さんの皮膚症状へのケア』をメインテーマに、講演1では、兵庫県立粒子線医療センター 藤本美生先生より『放射線治療を受ける患者さんの皮膚症状へのケア』について、ご講演いただきました。基本的な放射線性皮膚炎の特徴から、予防や症状出現時のアプローチ、また、事例を通してアセスメントの視点や具体的なケア内容などをご講演頂きました。講演2では、大阪大学医学部附属病院 田墨惠子先生より、『化学療法を受ける患者さんへの皮膚症状へのケア』について、化学療法による皮膚症状について、薬剤の特徴から予防・対処方法、さらに看護師だからできるケアとしてのアセスメントの視点や指導方法など具体的に講演いただきました。 治療に伴う皮膚障害の基本的な知識だけではなく、患者さんの生活の視点でセルフケアを継続できるような看護ケアを行うことの大切さを学ぶことができ、参加者の方は頷きながら熱心に聴かれていました。また質疑応答では、参加者から臨床での具体的なケアの方法についての質問も多くあり、有意義な時間を過ごすことができました。

連携7大学 第15回医学物理セミナー(インテンシブコース)報告(大阪大学)

平成27年8月11日(火)にグランフロント大阪にて、米国・Scripps Proton Therapy Center 教授のHuan Giap先生を迎え、米国における最先端の粒子線治療に関する講演が行われた。また、北斗病院・岸先生、和歌山県立医大・園村先生、大阪大学・小泉教授、三菱電機より、それぞれが行っている研究・教育に関する講演も行われた。参加者は52名あり、先端治療の現状を興味深く聴講していた。

がんプロ国際セミナー報告(大阪大学)

平成27年7月11日(土)に、米国カリフォルニア州アナハイムにて、米国医学物理学会のプレミーティングとして、がんプロ国際セミナーが行われた(日本学術振興会先端研究拠点事業との共催)。 参加者は17名あった。日本からは、大阪大学、大阪府立成人病センター、貝塚市民病院、東京大学、順天堂大学、帝京大学、放射線医学総合研究所の研究者が参加し、現在行われている共同研究の進捗状況、拠点事業の4年間のまとめ、さらなる共同研究の可能性などを議論した。

第7回がんプロ講演会(神戸薬科大学)

平成27年6月27日(土)に神戸薬科大学10号館4階会議室において、「神戸薬科大学第7回がんプロ講演会」を開催しました(参加者61名)。

今や2人にひとりが“がん”に罹り、3人にひとりが“がん”で亡くなる時代となり、がんは非常に身近な病気になってきました。また治療法も進み、生存率も高くなっています。これからはがんと闘うのではなく、“どのように共存しながら生きて行くか”という視点も医療では重要になると考え、「上手にがんと生きる」をメインテーマに企画しました。

そこで今回は、北野病院薬剤部係長、がん患者グループ「ゆずりは」代表、浄土真宗本願寺派僧侶の宮本直治先生より「寄り添う力」というテーマで、ご自身の体験も踏まえてお話しいただきました。病気を通して見えてきた自分の役割。「がんになってよかった」と言われる言葉の中には、宮本先生の長い道のりを“美の小途”に変えられた響きがありました。

2講話目は、「上手にうける癌治療~放射線科医からみた癌治療~」をテーマにりんくう出島クリニック院長 堀篤史先生にご講話いただきました。HepaSphere(高吸水性ポリマー)を使った動注塞栓術の血管内治療は、抗がん剤を局所に作用させるため患者への副作用も少なく、今後益々期待される治療になる気がしました。また温熱療法と組み合せることで少量の抗がん剤でも効果が非常に高くなるという報告は、いろいろな理由で抗がん剤に抵抗を感じている方々への福音になると感じました。

討論でも多くの質問と活発な意見が飛び交い、非常に有意義な時間になりました。


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