活動報告
平成28年度活動報告

こちらでは、近畿(阪大)がんプロ拠点が行いました様々なセミナー・講演会の報告および、研修等の報告をご紹介いたします。

平成28年度 がんプロフェッショナル養成プラン インテンシブコースセミナー報告(兵庫)

今回のセミナーは、「看護の臨床における現象を読み解く~明日からの看護に活かす精神力動論~がん看護事例検討会(theoretical case study)キックオフ講演会」と題して、近澤範子先生(兵庫県立大学 名誉教授)にご講演および事例検討会のスーパーバイザーを務めていただきました。講演では、精神力動論について分かりやすくご解説いただき、その後、思春期・若年成人がん患者(AYA世代)に関する事例をもとに、グループディスカッションを通して事例分析を行い、理論を看護実践に適用する際の視点や、AYA世代のがん患者への看護支援について理解を深めました。

アンケート結果

がん看護スキルアップセミナー(インテンシブ)報告 (大阪大学)

平成29年2月18日(土)に新大阪丸ビル別館において大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻主催のがん看護能力スキルアップセミナー(インテンシブ)として、『死にゆく患者のケアエッセンス』をメインテーマに開催しました。近畿圏内の病院看護師および訪問看護師90名が参加しました。

講演1 兵庫県立大学 教授 内布 敦子先生
「死について話す~言語化がもたらすもの」
患者と死について話すというのは、コミュニュケーション技術に関するテキストで勉強したから話せるというものでなく、個別性の高い事柄に対して、看護師が自分の身体や存在、価値を使って向き合っていくものであり、「患者と死について話せればいいというものではない。話せないことは悪いことでなく、むしろ立ちすくむことは素晴らしい」と、述べられ、これに悩む看護師は励ましをもらえたとの感想が聞かれました。 先生のご研究から、看護師は患者と死について話す時、様々なコミュニュケーションバリアを破り、患者の力も借りて話を進めている構造を明らかにされたことをご紹介頂きました。また、看護師は患者への共感性のリンクをコントロールしながらケアや癒しを提供しているので、これを磨き、自分を俯瞰する目を持っておくことが大切であるとのメッセージに、多くの参加者が共感を得ました。



講演2 京都府立医科大学 准教授
吉岡 さおり先生 「死にゆく患者をケアする看護師に 求められる視点」
看取りとは死までの過程において患者を最期まで見守ることを意味し、先生のご研究から身体的なケアはもとより、患者を含む家族をケアユニットと捉えて看取りの主役である家族を支援する家族看護の視点の重要性についてお話頂きました。 家族をシステムで捉えた時、患者と家族は良くも悪くも円環的関係性があり、看護師は家族の発達段階、ライフイベント、家族のあり様を把握して、患者家族のコミュニュケーションを促進する役割がある。そして互いの気がかりや希望が明確になり、残された仕事を支援することで、患者が亡くなった後に家族の後悔や心残りを最小限にすることにつながると述べられ、参加者の多くが改めて家族ケアの必要性を実感しました。



全体討議「よりよいDying careにむけて」 参加者から臨床の困難事例を提示頂き、予後が厳しい状態の患者から「治る事しか考えていない」と言われ、患者の意向を確認できない事例が挙げられました。講師の先生方からは、患者が話せないことを話させるのではなく、患者が話せることは何か、そこを糸口に思いを確認することはできる。また、患者の社会背景や潜在力をアセスメントして、話す力を与え、実践可能なケアの工夫が必要であると、多くの示唆を頂きました。参加者からは、「もっと先生方のお話が聞きたかった」、「患者の気持ちを聞き出さければならないと思っていたが、そうでないと知り心が楽になった」、「ケアの方向性がわかり、明日からの実践に活かしたい」との意見が多く寄せられました。

市民公開講座~知っておきたい乳癌の放射線治療~報告 (大阪大学)

2017年3月11日開催
36名の方にご参加いただいた。乳癌というテーマであったこともあり、多くの参加者は女性であった。また参加された方全てが有意義以上の感想であった。基礎的でイラストの多いスライドであったことや、質疑応答でも多くの質問をいただき適切に回答できたことも満足度につながったと推測する。参加者には高い満足度を得ていただけたと考えられる。 今後も世の中のニーズに答えつつ、満足度の高いセミナーを開催していきたい。

京都広小路特別セミナー~内視鏡国際セミナーin京都~
報告 (京都府立医科大学)

平成29年2月24日(金)に京都府立医科大学臨床講義棟南臨床講義室において、「京都広小路特別セミナー~内視鏡国際セミナーin京都~」を開催しました(参加者25名)。 胃癌、大腸癌の内視鏡診断・治療は世界的に近年していますが、各国でその特徴は異なります。本セミナーでは、海外から二人の胃癌、大腸癌のエキスパートをお招きし、ご講演いただきました。 講演1は、Konkuk大学 内科 教授 Sun-Young Lee先生にGastritis and gastric cancer - a Korean perspectiveというテーマで、韓国における胃癌といえんおよびH.pyloriの感染状態について、分かりやすく概説していただきました。 講演2では、Yuan病院 消化器内科 教授 Wen-Hsin Hsu先生に大腸癌のスクリーニングと台湾のESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)の現状というテーマで、主に台湾における大腸癌の検診および内視鏡診断・治療ご講演いただきました。胃癌および大腸癌に対する医療者にとって貴重な機会となったのではないかと思います。

府民公開講座「専門医によるがん検診およびがん診療の最前線」活動報告 (京都府立医科大学)

平成29年1月7日(土)に京都府立医科大学図書館ホールにおいて、京都大学と京都府立医科大学のがんプロフェッショナル基盤養成プランが合同で府民公開講座「専門医によるがん検診およびがん診療の最前線」を開催しました。 当日は229名の参加がありました。 京都大学と京都府立医科大学、パナソニック健康保険組合のがんの専門の先生方が「がん検診の長所と短所 受ける前に理解していただきたいポイント」、「肺がんの薬物療法」、「大腸がんの内視鏡治療と抗がん剤治療」「子宮がんに対する我々の取り組み」「胃がん薬物療法の最前線」と多岐に渡る内容で講演しました。参加者の方からは「タバコと子宮頸がんとの関係は特に父親の禁煙の必要性が分かりました。息子に話をする事にします。」という声や「がん検診の不利益や有効ながん検診が分かりやすかった」、「専門的すぎて分からないのではと不安だったが分かりやすかった。常に自分の身体、健康に興味を持ち、検診を受ける事、おかしなと感じたら受診することの大切さを改めて感じました。」という声などの来場者思い思いの感想をいただきました。今後の公開講座に活かしていきたいと思います。

市民公開講座~知っておきたい がんの話、放射線の話~報告 (大阪大学)

2017年1月28日開催
26名の方にご参加いただいた。多くの方々ががん治療、放射線治療に持っていただいていることがうかがえる参加理由であった。また参加された方全てが有意義以上の感想であった。基礎的でイラストの多いスライドであったことや、質疑応答でも多くの質問をいただき適切に回答できたことも満足度につながったと推測する。参加者の方々には高い満足度を得ていただけたと考えられる。 今後も世の中のニーズに答えつつ、満足度の高いセミナーを開催していきたい。

7大学連携 第18回 医学物理セミナー報告 (大阪大学)

平成29年1月30日(月)に、大阪大学医学部保健学科第3講義室にて、放射線医学総合研究所加速器工学部治療システム開発チーム森 慎一郎先生を迎え、次世代重粒子線治療に関する講演が行われた。本学学部生44名、大学院生・医学物理士・研究者15名の参加があり、最先端の粒子線治療や物理研究、今後の見通しに関する議論が行われた。

7大学連携 第17回医学物理セミナー報告(大阪大学)

平成29年1月23日(月)に、大阪大学医学部保健学科第3講義室にて、兵庫県立粒子線医療センター院長の沖本智昭先生を迎え、炭素イオン線、陽子線の実際に関する講演が行われた。参加者は本学学部生を含む50名程度あり、最先端の研究、今後の見通しに関する議論が行われた。

PHITS2講習会 報告 (大阪大学)

平成28年9月27日(火)‐28日(水)に、日本原子力研究開発機構の橋本慎太郎氏を講師に迎え、粒子・重イオン輸送汎用モンテカルロシミュレーションコードPHITS2の使用方法に関する講習会を行った。 参加者は、大阪がんプロ・医学物理コースの学生を含め35名あり、PHITS2の基本的な使用法を取得した。また、α、β、γ、中性子線の遮蔽に対するシミュレーションも行った。休憩時間や終了後には、講師への質問や議論が多く行われ、有意義な講習会となった。

ライフステージに即したがん看護能力スキルアップコース(インテンシブコース)「看護師が行なう研究の質向上のための示唆-研究計画からパブリッシュまで-」活動報告(大阪大学)

平成28年6月19日(日)に、新大阪丸ビル別館において、大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻主催のがん看護能力スキルアップセミナー(インテンシブ)を開催しました。 当初は50名の定員で募集しましたが多数の参加希望を賜り、定員を増やして合計86名の方にご参加いただきました。ご参加いただいたのは全国各地の臨床や教育現場の看護師、 医師、薬剤師など多職種の方々でした。  講師のMarie A Bakitas先生は、アラバマ大学バーミンガム校の教授で緩和ケアの分野で多くの業績を残されています。 講演では“The Accidental Researcher :Becoming a Palliative Care Nurse Scientist”というタイトルで、スタッフナースからCNS、そして研究者に至るご自身のキャリアを通して、 臨床に即した研究をすることの醍醐味や重要性をお話し下さいました。がんの治療に重点がおかれる病院において、早期から患者と家族の苦痛を緩和する必要性を捉えられ、 看護介入のプロジェクトを立ち上げられたのが、ENABLE(Education,Nurture,Advice,Before Life Ends)でした。講義を通して、「自分を助けてくれるメンター (指導者、助言者)を見出すこと」「研究として取り組んだ結果を論文に書くこと」「決してあきらめないこと」といった多くのメッセージを下さいました。 質疑応答では、早期から緩和ケアを提供するための今後の取り組みや緩和ケアに携わる研究者の教育についてなどが検討され、明日からの臨床や教育、 研究に取り組むために非常に有意義なご講演をいただきました。

医療講演「肝臓癌を予防する。発癌ゼロを目指して。」活動報告(京都府立医科大学)

平成28年5月21日(土)に亀岡市役所市民ホールにおいて、リレー・フォー・ライフ・ジャパン京都、公益財団法人日本対がん協会、京都府立医科大学のがんプロフェッショナル基盤養成プランが合同で亀岡市立病院の岡田頼久先生を講師にお招きし、「肝臓癌を予防する。発癌ゼロを目指して」と題し医療講演を実施しました。 当日はがん患者の方や一般市民の方等70名程の参加がありました。 講演では肝臓癌になる方はB型肝炎、C型肝炎を持っている事が多いことや、B型肝炎、C型肝炎の最新の治療法、生活習慣と肝臓癌との関係などについて分かりやすくお伝えしました。 また、がん検診について司会者とのトークイベントでは、安くて早期にがんが見つかる市民検診の重要性やがんにかかりやすい生活習慣についてのフリートークを実施しました。

第9回がんプロ講演会(神戸薬科大学)

平成28年5月5日(木・祝日)に神戸薬科大学10号館4階会議室において、「神戸薬科大学第9回がんプロ講演会」を開催しました(参加99名)。 がん医療の目覚ましい進歩によってがん患者さんの生存率も向上し、今では「がんと共存する時代」になってきました。それとともにがん治療の期間も長くなり、それを支える医療者と患者さんとのコミュニケーションは重要な役割を果たします。しかしながらがん患者さんの多くからは、医療現場との隙間を感じる声が聞こえてきます。そこで今回は、「がん医療における対話とは」をメインテーマに、実際に「言葉の処方箋」によってこの問題に取り組んでいる順天堂大学医学部病理・腫瘍学講座教授 樋野興夫先生をお迎えして、「よく聞き、よく話す~がん哲学外来カフェでの学習」と題してご講話いただきました。 講演後は参加者から、患者家族の体験を通して、また実務実習を終えた学生からは実習中に感じた疑問について質問があり、活発なディスカッションとなりました。 講演後は場所を6号館2階ラウンジへ移して「メディカル・カフェ」を開催し86名の方が参加されました。がん患者やそのご家族、医療従事者や学生が10班に分かれ、約1時間ご自分の体験やがん医療について語り合いました。それぞれの事情は異なりますが、一人きりで悩みを抱えている人はたくさんいます。同じテーブルを囲んで悩みを分かち合うことが、心の通った医療の一助になるのではないかと、対話の大切さを改めて感じました。